天然石ガーネットは、“ざくろ石”の名前で1月の誕生石としてよく知られています。昔から宝飾品や研磨材として広く利用されてきました。ダイヤモンドに次ぐ硬度をもち比重が4前後と重いため、壊れにくく、埃が立たず、また浮遊シリカによるけい肺の心配もないという環境と人にやさしい天然研削材であるという優れた特長があります。
実際の研削材や運動施設の床材として使用されるガーネットは、鉄分を多く含み、やや赤黒い色をしております。
ガーネット資源は、インド南東部海岸、スリランカ南東部海岸、オーストラリア西海岸に漂砂鉱床として豊富に賦存しており、安定供給性に優れた資源と言えます。
また、中国では、内モンゴル自治区や山西省などを中心に約80カ所のロックタイプのガーネット鉱山が操業しています。
世界の主な消費地は、北米、中東、欧州ですがアジア、アフリカでも広く使われています。世界のガーネット輸出入市場は、年間40〜50万トンの需要と推定されますが、インドと中国両国が輸出用のガーネットのほとんどを生産して安定供給しています。
我が国の輸入量は財務省貿易統計によれば、過去2001年から2008年までの年平均でインドより7,418トン、中国より4,083トン合計で11,501トンの輸入量が記録されています。現在の日本市場は、世界全体の貿易量の僅か2〜3.%ですが、近い将来、石油、電力業界等においてけい砂からの転換需要の増加により輸入量の大幅な増加が見込まれます。
世界におけるガーネットの主たる用途は、サンドブラスト、ウオータージェット、運動施設床材・人工芝詰め砂、水ろ過用です。我が国では、圧倒的にサンドブラスト用途が多く、ウオータージェット、運動施設床材・人工芝詰め砂用途が次に多くなっています。
欧米で普及している三層構造水ろ過システム(無煙炭、砂、ガーネット)の我が国における導入は、これからと見込まれます。
ガーネットは、資源が豊富で長期供給安定性に優れています。
研削能力は、一般に研削材の硬度と比重に比例してよくなります。ガーネットを使用することにより、この鉱石の特長である硬度と比重によって、作業効率の大幅な改善が可能になりました。
最大の利点は、粒子の形状が鋭角を持たないことにより、素地面に投射された場合にも細かな粉砕がなく、粉塵の発生が極めて少ないので、周辺の環境汚染を防ぎ、加えてブラスト作業者の身体への安全性が確保できることです。
また、ガーネットは天然鉱物で、遊離シリカはもとより重金属を含まないため、使用後の廃棄処理が容易にできます。
2008年1月実施した可搬式バキューム型ブラスト機を使用したガーネット、銅スラグ、溶融アルミナのリユース・テストでは、ガーネットは3〜4回のリユースが可能であり、溶融アルミナよりも総合的な経済性に優れるとの結果が出ています。
研削材の比較評価一覧
評価項目 研削材名 |
供給 | 仕上げ | 環境 健康 |
安定 供給 |
リユース の可否 |
曲面構 造物へ の適用 |
総合 評価 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ガーネット | インド 中国 |
◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
けい砂 | 国内 | ○ | × | ◎ | × | ○ | × |
銅スラグ | 国内 | ○ | △ | △ | × | ○ | ○ |
ニッケルスラグ | 国内 | ○ | ○ | △ | × | ○ | ○ |
溶解アルミナ | 中国 | ◎ | ○ | △ | ○ | × | ○ |
スチールショット | 国内 | ◎ | ○ | ◎ | ○ | × | ○ |
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